管理・監督者を決めよう!
- 世間を騒がせた「管理・監督者」ですが、これは、非常に分かりにくい制度です。
- 一般的な会社は、一般社員・主任・係長・課長・部長等の役職があります。そして、係長以上になれば、部下が何人かおり、立派な監督者です。
- 一般的な会社は、一般社員・主任・係長・課長・部長等の役職があります。そして、係長以上になれば、部下が何人かおり、立派な監督者です。
- しかし、厚生労働省の通達によれば、下記の基準が、管理・監督者であるかどうかの判断基準となっています。
待遇面で一般従業員より優遇されているか
出社・退社について、厳格な制限を受けない
賃金等自己の業務の遂行に自由裁量の余地があるか
- つまり、会社が考える管理・監督者と通達による管理・監督者(法律ではない)には、開きがあるのです。
- 中小企業(例えば従業員数100名以下の会社)でこの通達を厳格に適用しようとすると、社長だけが管理・監督者となります。
- 取締役はどうかというと、1~3に該当する取締役は管理・監督者ですが、従業員兼取締役であり、何の権限もない取締役も管理・監督者ではないことになります。
- また、工場長や店長や課長でも、ほとんどのケースで、管理・監督者を否認されることになります。
何が問題か?
- なぜ、管理・監督者が問題なのかというと、労働基準法の管理監督者ならば、残業代金を支払わずに時間外労働させられます。
- しかし、一般従業員の場合には、時間外労働に対し、残業代を支払わなければならない為です。
- なお、判断基準が曖昧な為、M社の裁判を踏まえ、他店舗展開する小売業・飲食業の店舗の管理・監督者についての通達も平成20年9月に出されました。
これによると、下記の内容を総合判断をし、残業代を支払う管理・監督者か否かを決めることになりました。
アルバイト等の採用や解雇の権限があること
遅刻・早退による不利益がないこと
収入が一般従業員より高い等々による
- しかし、この通達でも曖昧さが残る為、どのライン以上が残業代を支払う管理・監督者にするのかは判断が付きません。
- 要は、監督署の検査や裁判になったときに、「当社は○○以上の役職が残業代を支払わない管理・監督者ですよ。」と正々堂々と主張できるような、賃金制度や労務管理の制度を作ることです。
- この方法が一番安全でもめごとが起きない管理・監督者の考え方です。
もっとも、法律には何の基準も書かれていないのですが。…a:1963 t:1 y:0