割増賃金の計算方法
- 簡単なようですが、実は、割増賃金の計算方法を間違えている会社は、たくさんあります。
- 間違えの原因は、割増賃金の計算の基礎になる「1時間あたりの時給額」の出し方の間違えです。
例えば、Aさんの基本給30万円・家族手当3万円・通勤交通費2万円・役職手当3万円・皆勤手当1万円とします。「1時間あたりの時給額」を計算する時の分子は、基本給30万円+役職手当3万円+皆勤手当1万円になります。
そして、分母は、月間所定労働時間又は、月平均所定労働時間を使います。月平均所定労働時間とは、(365日-年間所定労働日数)×1日の所定労働時間÷12箇月のことを言います。
仮に、年間休日数113日・1日の所定労働時間が8時間であれば、分母は、168時間になります。よって、Aさんの「1時間あたりの時給額」は、34万円÷168時間≒2023.8円となります。そして、Aさんが1時間残業をした場合には2023.8×1.25≒2529.75円≒2530円を支払います。
計算のポイント
- ポイントは、
- 割増賃金の分子から外せる手当を間違えないこと
- 分母を、月間所定労働時間を使って計算するか、年間の月平均所定労働時間を使って計算するかを決めること
- 法律違反にならない端数処理の方法を使い計算を楽にすることです。
- 皆勤手当を支給している会社は、分子である「皆勤手当」が支払われたり、支払われなかったりする為、「1時間あたりの時給額」が毎月変動する為、注意が必要です。
- 「当社は、給与計算ソフトで計算しているから安心!」と思っている会社でも、「皆勤手当」を分子に入れずに計算している会社も多いので注意して下さい。
参考(割増賃金の計算基礎≒分子から除いても良い手当)
- 家族手当
- 通勤手当
- 子女教育手当
- 別居手当
- 住宅手当
- 臨時の手当
- 賞与
参考(賃金額の端数処理)
- 1時間あたりの賃金額・割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合には、50銭未満切り捨て・以上切り上げはOK
- 1箇月の割増賃金総額を1と同じく処理することはOK
- 1箇月の賃金支払額に、100円未満の端数は生じた場合には、50円未満切り捨て、以上を100円に切り上げOK
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